コラム

歯ぎしり・食いしばりの原因と対策【結城市の歯科口腔外科】

「歯の先端が平らになってきた気がする」
「朝になると顎に疲れを感じる」
「首や肩のコリが続いている」
こうしたお口の中の変化や身体の不調は、歯ぎしりや食いしばりが関係している可能性があります。

 

歯ぎしりや食いしばりは、眠っている間に起こることが多く、自分自身で気づくことは簡単ではありません。
しかし、歯や顎に繰り返し強い負荷が加わることで、歯の摩耗や顎の不調など、さまざまな影響につながることがあります。

 

このコラムでは、歯ぎしり・食いしばりの特徴、種類、セルフチェック方法、原因について解説します。
思い当たる症状がある方は、ご自身の状態を見直すきっかけとして参考にしてください。

 

【河野歯科医院】院長 河野雅人

河野雅人 院長

1989年 日本大学歯学部 卒業
その後、都内の歯科医院にて勤務
1996年 河野歯科医院 開院

医院名:河野歯科医院
所在地: 〒307-0001
茨城県結城市結城1572

 

 

歯ぎしり・食いしばりとはどのような状態か


歯ぎしりや食いしばりは、専門的には「ブラキシズム」と呼ばれ、無意識のうちに歯を強く接触させる習慣のことを指します。

 

通常、食事のときには食べものが歯の間に入り、噛む力をやわらげる役割を果たしています。
しかし歯ぎしりの場合は、歯と歯が直接接触するため、歯や顎にかかる力は非常に大きくなります。

 

歯ぎしりの際には100kgを超える力が加わることがあると報告されています。
このような強い力が繰り返されることで、歯のすり減りや破損につながる可能性があります。

 

参照:J-STAGE|認知症治療研究会誌「高齢者や認知症患者におけるめまいと歯ぎしり・食いしばりの関係」p17 >

 

さらに、歯ぎしりは短時間で終わるものだけでなく、数分間にわたって持続する場合もあります。
この状態が続くと、歯だけでなく顎の筋肉や関節にも負担がかかるようになります。

 

 

歯ぎしり・食いしばりのセルフチェック

歯ぎしりは無意識に起こるため、自分で気づくことが難しい習慣です。
しかし、歯や身体の変化から推測できる場合もあります。
次のような状態がないか確認してみましょう。

✔歯がすり減っている
✔歯が短くなったように見える
✔歯の一部が欠けたことがある
✔朝起きたとき顎が疲れている
✔歯ぐきの一部が盛り上がっている
✔慢性的な肩こりがある
✔歯ぎしりを指摘されたことがある

これらは歯ぎしりの可能性を示すサインです。

 

歯が短くなったように見える

歯ぎしりによって歯の表面が少しずつすり減ると、本来より歯が短く見えることがあります。
特に前歯の先端が平らになっている場合は、歯ぎしりの影響が疑われます。

 

歯の一部が欠けたことがある

歯に強い力が繰り返しかかることで、歯の表面が欠けたり、小さなひびが入ったりすることがあります。
自覚症状がないまま進行することもあるため注意が必要です。

 

朝起きたときに顎が疲れている、だるさがある

歯ぎしりは睡眠中に顎の筋肉を長時間使う動きです。
そのため、朝起きたときに顎の筋肉に疲労感や重だるさを感じることがあります。

 

歯ぐきの一部が盛り上がっている

歯に強い力が加わり続けると、歯を支えている骨が反応して、歯ぐきの周囲に硬いふくらみが生じることがあります。
これは骨の変化によるものです。

 

慢性的な肩こりや頭痛がある

歯ぎしりや食いしばりは、顎の筋肉だけでなく、首や肩の筋肉にも影響を与えることがあります。
その結果、肩こりや頭痛として現れる場合があります。

 

家族から歯ぎしりを指摘されたことがある

歯ぎしりは、歯がこすれる音がすることがあります。
ご自身では気づかなくても、ご家族から指摘されて初めて気づくケースも多く見られます。

 

これらの症状がすべて当てはまる必要はありません。
一つでも該当する場合は、歯ぎしりや食いしばりが起きている可能性があります。

 

歯ぎしりによる歯のすり減りやひび割れは、自然に元に戻ることはほぼありません。
また、初期の段階では自覚症状が少ないまま進行することもあります。
そのため、気になる変化がある場合は、歯科医院で歯や顎の状態を確認することが大切です。

 

 

歯ぎしりにはいくつかの種類があります


歯ぎしりの種類・動き方にはいくつかのパターンがあります。
次の表は代表的な分類です。

 

種類特徴気づきやすさ
グラインディング歯を横にこすり合わせる音が出るため比較的気づきやすい
クレンチング歯を強くかみしめる音が出ないため気づきにくい
タッピング歯をカチカチと接触させる比較的まれ

 

この中でも特に多いのがクレンチングです。
音が出ないため自覚しにくく、知らないうちに歯や顎に負担がかかっていることがあります。

 

 

歯ぎしり・食いしばりの原因は一つではありません

歯ぎしりは、単一の原因ではなく、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。
ここではおもな原因について説明します。

 

ストレスや疲労との関係が深いとされています


まず関係が深いとされているのが、精神的なストレスや身体の疲労です。

 

歯ぎしりは、睡眠が浅いときに起こりやすいことがわかっています。
ストレスや疲れがあると睡眠の質が低下しやすくなり、それに伴って歯ぎしりが起こりやすくなると考えられているのです。

 

人は緊張状態にあると、筋肉がこわばります。
この緊張は顎の筋肉にもおよび、歯を強く接触させる動きにつながることがあります。

参照:厚生労働省|ストレスと口の健康 >

 

かみ合わせや歯並びの状態も影響します


歯ぎしりや食いしばりには、歯の並び方やかみ合わせの状態も関係している場合があります。

 

上下の歯の接触に偏りがあると、一部の歯だけに強い力が集中することがあり、その結果、顎の筋肉に負担がかかり、無意識のうちにかみしめる動きが生じやすくなることがあります。

 

特に、次のような状態では注意が必要です。

・詰め物の高さが合っていない
・歯がすり減っている
・歯並びに乱れがある
・歯を失ったままにしている

これらの状態では、顎の位置が安定しにくくなり、筋肉に負担がかかりやすくなるのです。
顎の筋肉は、歯を支える重要な役割を担っています。
しかし、かみ合わせのバランスが崩れることで筋肉の緊張が続き、歯ぎしりの一因となる可能性があります。

 

歯を失ったままにしている場合も影響があります


歯を失った状態をそのままにしておくと、残っている歯に負担が集中します。
これにより、

・かみ合わせの変化
・顎の位置のずれ
・筋肉の緊張

などが起こる可能性があります。
こうした変化が積み重なることで、歯ぎしりや食いしばりにつながる場合があります。

 

生活習慣も大きく関係しています


日常生活の習慣も、歯ぎしりの発生に影響を与える要因の一つです。
特に影響が大きいと考えられているのが睡眠の質です。
歯ぎしりは、深い眠りではなく、浅い眠りのときに起こりやすいことが知られています。
そのため、

・睡眠不足
・不規則な生活
・夜ふかし

などが続くと、歯ぎしりが生じやすくなる可能性があります。

 

飲酒との関係


寝る前の飲酒も、歯ぎしりに影響する可能性があります。
アルコールは入眠を促す作用がありますが、その後の睡眠は浅くなりやすいとされているので要注意です。
その結果、歯ぎしりが起こる条件が整いやすくなることがあります。

 

日中の食いしばりにも注意が必要です


歯ぎしりは睡眠中だけでなく、日中にも起こることがあります。
次のような場面で、歯を接触させていないか確認してみましょう。

・パソコン作業中
・集中しているとき
・緊張しているとき

本来、リラックスしている状態では上下の歯は接触していません。
しかし、歯を接触させる習慣が続くと、顎の筋肉に負担がかかり、歯ぎしりの原因となることがあります。
できるだけ上下の歯を接触させないよう、意識することも大切です。

 

 

歯ぎしりの対策としてマウスピースが用いられます


歯ぎしりによる影響をやわらげる方法として、歯科ではマウスピースを使用することがあります。
マウスピースは就寝中に装着することで、歯同士が直接触れるのを防ぐ役割を持ちます。
これにより、歯や顎にかかる負担を軽減することが期待されます。

 

マウスピースによって期待されるおもな作用

マウスピースの使用により、次のような保護効果が期待されます。

・歯の摩耗の進行を防ぐ
・歯の破損のリスク軽減
・修復物の保護
・顎の負担の緩和

また、筋肉の緊張がやわらぐことで、顎の疲労感の軽減につながる場合もあります。

 

歯科医院で作るマウスピースの特徴

市販のマウスピースもありますが、歯科医院ではお口の状態に合わせて製作することができます。
歯型を採取して製作するため、

・適合性が高い
・装着時の違和感が少ない
・個々の状態に合わせて調整できる

といった特徴があります。
そのため、歯や顎への負担を抑えやすくなります。

 

 

歯科での検査の重要性

歯ぎしりは自覚しにくいため、歯科での確認が重要です。
歯科では次のような点を確認します。

 

確認項目内容
歯の摩耗歯のすり減り具合
修復物詰め物や被せ物の状態
顎の状態筋肉や関節の状態
かみ合わせ接触のバランス

 

これらを総合的に確認し、必要に応じて対応を検討します。

 

 

気になる症状がある場合は早めにご相談ください

歯ぎしりや食いしばりは、すぐに強い症状として現れるとは限りませんが、長期間続くことで歯のすり減りやひび割れ、顎の疲れなどにつながることがあります。
これらの変化は自然に回復するものではなく、自覚症状がないまま進行する場合もあるため、違和感に気づいた段階で確認することが大切です。

歯ぎしりによる負担はマウスピースの使用などで軽減できる場合もありますので、歯の摩耗や顎の違和感が気になる際は、歯科医院で状態を確認し、ご自身に合った対応を検討していくとよいでしょう。
早期発見・早期対応が、よい結果につながります。
歯ぎしり・食いしばりや、歯のすり減りなどでお悩みの方は、早めにご相談ください。

 


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